小さな子供でも登れるらしい標高225mの札幌・円山に舐めて挑んだらきつかった

札幌市に円山(まるやま)という山がある。標高は225m。ネットで色々と調べる限り、小さな子供でも登れるらしい。

僕は登山が特別好きというわけではないものの、歩くこと自体は好きなので、登山にも少しだけ興味はある。平坦なコンクリートの道を歩くのとは異なるタイプの充足感を感じられそうだ。山頂で景色を眺めながらおにぎりも食べたい。

とはいえ、本格的に装備を整えてまで登りたいとも思わない。そこまでしたいほどの欲求でもない。面倒くさいし、筋肉痛になりそうだ。長時間に渡る登山中にトイレに行きたくなった場面を想像しちゃったりもする。

 

そこで、子供でも登れるらしい標高225mの円山の出番ですよ。円山はごく一般的なスニーカーでもすぐ登れる程度の山とのこと。googleに聞いたらそう教えてくれた。

僕は今から約11カ月前に、埼玉県某所から札幌市へ移住した。そして移住先の住居からは徒歩で円山まで行ける。これはもう登るしかない。

ということで登ってきた。

 

登山路の入り口に到着したところ、「熊出没注意」との警告が貼ってあった。

登山路の入り口

標高225mの円山は正直言って舐めてるけど、熊を舐めるわけにはいかない。熊の危険性については事前に想定していたので、家の鍵にキーホルダーの小さな鈴を取り付けてきた。きっと問題ない。

 

登山を開始してわずか2分ほどで、太い根を地面にむき出しにした大きな木が現れた。

登山路

写真ではわかりにくいけど、勾配もなかなか急だ。「あれ、思ってたより本格的に山だな……」と早々に怯んでしまった。開始2分時点で既に息が上がってハァハァ言ってた。

「いくら標高225mとは言っても、こういう道を小さな子供は登れないだろ」とも思った。思ったんだけど、登山中、6歳ぐらいの子供が親と手を繋ぎながら歩いている場面に遭遇した。しかも複数回。小さな子供連れのファミリーが多い。

37歳の僕が息を上げてハァハァしながら登っている一方で、推定6歳の子供は元気にお喋りしている。子供が元気すぎるというよりも、自分が運動不足なのだろうな。

平均すると1日1万歩は歩いているけど、平坦なコンクリートの道を歩くのとは肉体に掛かる負荷量がまるで違う。すごくゆるい負荷を掛け続けるタイプの運動には慣れているけど、強めの負荷が掛かると一瞬でばてる。

正直言って登ってる最中は「楽しい」よりも「辛い」が勝っていた。「熊に襲われず無事に下山できたとして、次はないかな。今回限りでいいや」とも思った。

 

とはいえ、息を上げて汗だくになりながらも、1時間もかからず山頂に無事到着できた。

山頂

登ったのは11月上旬で、その時期の札幌は既に東京の冬に近い寒さだから、日常生活で汗はかかない。だから久しぶりに汗をかいて、達成感もあり気分爽快になれた。

登山が好きな人は、この達成感を味わうために登っているのかもなあと思った。

 

山頂から見える札幌の街並みも綺麗だった。

山頂から見た札幌の街並み

山の上というよりも、そこそこ背の高い高層ビルから見てるぐらいの高さ。それぐらいが落ち着けて丁度よい。高いところが苦手なので、高すぎると怖くなる。

 

山頂の岩に腰掛けて、景色を眺めながらおにぎりを食べた。

山頂で食べたおにぎり

家で食べるのと比べて3倍ぐらいの美味しさだった。

標高225mとはいえ、熊の出没も注意な立派な山を、息を切らせながら無事に登り切った達成感。それが凡庸なおにぎりのスパイスとなり、美味しさが3倍になる。そういうメカニズム。

 

山頂でのんびり過ごしながら休息して、景色も堪能して、満足してから下山開始した。

登りと比べると、下りはかなり楽だった。重力の力を借りながら足を運びつつ、足を滑らせないようにすることだけに自分の力を使っている状態だから、かなり省エネ。

登りの半分以下な時間であっという間に下山できた。山道に慣れてきた面もあるかもしれない。

下山しながら、「やっぱりまた次も登ろう。また山頂でおにぎりを食べたい」なんてことも思った。

札幌はこれから本格的に寒くなり、雪も降る。さすがに雪が積もってる状態で登山は無理だから、次は半年後ぐらいかな。雪が解けて、暖かくなってきたら、2度目の円山登山をしてまた遊ぼうと思う。