昨日、マリオの映画を観てきた。
とても面白かったので、感想を書いていく。前半がネタバレ無しで、後半はネタバレ有り。
ネタバレ無し感想
感想を一言で表現すると、「20年後のマリオのゲーム映像を体験した気分」という感じ。映画を観てきたというより、未来のゲーム映像を観てきた気分のほうが強い。
この映画を観たほとんどのゲーマーは「動かしたい」って思うはず。
この映画の映像のゲームが動かせたら最高だよ。ニンテンドースイッチ4とかになったらこういう映画レベルですごい映像が動かせるようになったりするのかなあ。みたいなワクワクする妄想をしながら終始見ていた。
正直、映画を観る目線ではなかった。この作品を観ながら思っていたのは、
- 動かしたい!
- これは未来のゲーム映像だ
- PS5のグラフィックってすごいし、これ以上の進化はVRみたいな方面以外にもうないんじゃないかと若干思っていたけど、それは思い違いだったな
など。どこをとっても映画を観ているときの感想ではない。
マリオを筆頭にマリオ界のキャラ達が動いているからゲーム映像に見えてしまうという理由もあるものの、BGMや効果音などの演出でも意図的にゲームっぽさを狙っているとは思う。
「マリオの映画化」ではなく、「映画というプラットフォームを利用したマリオの新作」という表現が、自分の感想にしっくり合う。
ニンテンドースイッチというプラットフォームを利用したマリオ。ニンテンドー64というプラットフォームを利用したマリオ。みたいに、様々なプラットフォームごとにマリオ作品があるわけだけど、それとある意味同じ意味合いで「映画というプラットフォームを利用したマリオの新作」という感覚を終始感じてた。
それぞれのプラットフォームには特徴があり、その特徴を生かしたゲーム性を作ってくるのがいつものマリオ作品。
たとえばSwitchの場合、コントローラーを買い足さなくても手軽に二人プレイできる。よってマリオ本体とキャッピーの二人協力プレイがゲーム性。
64の場合、当時画期的だった3D描写と3Dスティックが特徴であり、その特徴を生かした3D箱庭マリオ。
で、今回の場合、映画をプラットフォームにしてるから、派手な映像や演出をふんだんに使える特徴を生かしたマリオ作品が生まれた。という感覚。
「このグラフィックのゲームを動かせたら最高だろうなあ。長生きしないとなあ」と思いつつ、キャラメルでベットリとコーティングされたポップコーンをむしゃむしゃ食べながら見てた。
1本の映画を観たというよりも、1本の次世代の次世代のそのまた次世代のマリオのゲーム映像を観てきた感覚。
僕は映画ってそこまで見るほうでもない。映画館は年1,2回程度、家で観るのも年数本ぐらい。映画よりもゲームのほうが大量に触れてるタイプの人間。そんな自分にとって、今回のマリオはピッタリな作品だった。
以上、ネタバレ無し感想。
以降、ネタバレ有り感想。
ネタバレ感想
ネタバレ有りといっても、映画全体の感想はここまでで全て書いてしまったので、ここから先は、個別具体的なシーンを取り上げつつ、感想を書いていこうかな。
マリオとピーチの特訓シーンいいね!
マリオとピーチの特訓シーン、よかった。
高難易度なステージにトライアンドエラーして挑んでる未来のゲーム映像そのものだなと思えた。
このシーン、もっと見たかったなあ。体感で3分ぐらいな感覚だけど、10分ぐらい見てたかった。
もう映画のストーリーなんかどうでもいいから、もっとこういうゲーム的な映像をたくさん見せてほしいと思ってしまった、正直。
マリオvsドンキーも良かった
マリオvsドンキーもゲーム的でよかった。特訓と同じくトライアンドエラーで敵を攻略していく感じが出ていたし、強力なアイテムで一発逆転する展開もゲームあるあるだった。
「任天堂の作品の割には、けっこう暴力的なシーンだな」とは思った。ドンキーがマリオに馬乗りになって顔面に連続グーパンチを食らわせたりw
でもよく考えたら、スマブラとかのゲームでさんざんやってることではあるんだよな。ゲームだからなんとも思わない部分が、映画になったことで「うわあ、痛そう」みたいに感じたりはした。
まあ、マリオさんは残機が残ってる限り不死身なのだけどね。マリオさんの命の概念は通常の人間のそれとは違うので問題なし。
クッパはヤバい奴だった!映画観るまで全然気付かなかったw
ゲームだと気にならないけど映画だと「うわあ」と思った部分のもう1点として、クッパ。こいつ、ストーカーだし暴君だし、ヤバい。パスってる。
長年マリオのゲームに触れてきたけど、全然気付かなったよ。クッパがサイコパスだって。単なる記号としてのボス役か、ちょっと間の抜けた奴ぐらいな印象しかなかった。
今までクッパのヤバさに気付いてなかったけど、こいつはさっさと始末したほうがいい。世界が滅ぼされるしピーチ姫はいつまでもストーカーされる。
というクッパの気持ち悪さとパスっぷりに若干引きつつ笑えて楽しかった。別に1ミリも改善してほしいとかは思ってない。そういう、ゲームと映画の差みたいなものも見えて面白かった。
ストーリーは映画としては確かに薄いけど、マリオとしては濃すぎる
事前に映画評論家の本作に対する声「ストーリーが薄い」的な声をYouTubeかツイッターで目にしてしまっていたのだけど、僕の感想としてはむしろ逆。「マリオにしてはストーリー濃いな。もっと薄くてもいいのに」という感想。
映画好きな人が本作を1つの映画作品として見たときに「ストーリーが薄い」というのは何となくわかる。僕は映画のストーリーの濃い・薄いを語れるほどの映画経験がないけれど、わかる。テレビアニメや小説なら浴びるほどインプットしてきているので。そちらの作品群と照らして思うのは、「よくある見飽きた話だよな」というところ。
でもまあ、マリオだし。マリオ作品の中で観たらストーリーはかなり濃い。
あとキャラクターの性格付けも濃い。脱サラして独立開業したものの上手く軌道に乗らないマリオさん、夕食時に家族から「そんなことやってないでちゃんとサラリーマンしろ」と言われ「ちくしょー…」みたいな展開があったけど、そういうの別にマリオには必要ないと思えてしまう。個人的には。
水道管工事業者を営む謎のひげオジサン・マリオが謎にジャンプが得意で強くて、よくわからないけどピーチ姫に頼られてて、助けにいきます。みたいなのでいいやw
以上、感想でした。
まとめると、
「ゲームが好きでマリオ作品にも慣れ親しんできた人は、映画作品としてではなく、マリオ作品として楽しめると思う!」というところです。おしまい。