そろそろ札幌を去り、杵築へ移住しようかなと考えている。
札幌に元から永住するつもりはなかったものの、いつまで住むかも特に決めず、ほぼノリで移住した。
札幌に移住した理由を要約して書くと以下。
- 街並みが綺麗。
- 大都市だから便利。ブックオフも駿河屋もまんだらけもあるし、仕事もたくさんある。
- 暑いのが大嫌いだけど寒いのはそこまで苦ではない自分に気候が合ってそう。
- 日本の中では環境の違いが大きいから、一度ぐらい住んで体験してみるのも楽しそう。好奇心が刺激される。
- 寒さと雪の中での生活は体力が必要そうだから、住んでみるなら少しでも若いうちがいい。ならいつ移住するの。今でしょ。
こんな理由で、会社を辞めたのとほぼ同時にサクッと札幌へ移住した。
それが今から約1年8か月前。
そして現在、冒頭に書いた通り、そろそろ札幌を去り、杵築へ移住しようかなと考えている。
一般常識の感覚に照らすと「そろそろって……まだ1年8か月程度じゃないか」と思うだろう。
でも自分の中では、1年8か月も札幌生活を体験できたのだからもう十分だなという気持ちになっている。また住む場所を変えて、次の生活に移行したくなっている。
理由は以下2つ。
- 足るを知った結果、大都市ではなく田舎で生活したくなった
- 冬は-10℃かつ大量の雪が降るのに、夏は36℃で東京より暑いのが理不尽だしエアコンが無いのも辛い
元から1の気持ちをここ1か月ほど抱いており、「あと1,2年以内ぐらいには札幌からどこか田舎へ移住しようかな」とぼんやり考えていた。
そんな状態の中で2の気持ちも後から発生し、それによって「1,2年以内に田舎へいこうかなあ(ぼんやり)」から「もう今から具体的な検討と行動に入ろう」へと思考が切り替わった。
より具体的に言うと、今日のAM3時ぐらいに熱中症により左足のふくらはぎを二回つり、汗だくになりながら必死にふくらはぎの筋肉を揉み解しているときに「もう札幌は去ろう。田舎への移住を今から本格的に検討していこう」と決めた。
以下、理由1と理由2についてもう少し書いていく。
1.足るを知った結果、大都市ではなく田舎で生活したくなった
大都市ならではの魅力が札幌生活には詰まっており、本当に楽しかった。なんといっても、家から徒歩で駿河屋とまんだらけに行けることに対する感動が大きい。
駿河屋もまんだらけも、移住前の僕にとっては電車を乗り継ぎ片道1時間以上かけて都心部に移動してようやく訪れることのできる特別なお店だった。それがなんと、札幌では徒歩で行ける。ヤバすぎでしょ。
その他にもブックオフがあるし、ゲオもあるし、紀伊国屋もジュンク堂もあるし、ヨドバシカメラもビックカメラもある。
逆に聞きたい。何ならないのかと。ないものがない。徒歩の範囲内に何もかもが揃っている。脱毛サロンにも徒歩で行ける。
「でも、そうやって商業施設がひしめいてるってことは、新宿とか渋谷みたいにゴチャゴチャしてるんでしょ」なんてこともない。大量の商業施設が碁盤の目状に整備された街の中に綺麗に収まっている。ここは楽園か。
しかも、商業施設だけではなく自然だってある。大通公園、中島公園、円山公園など。そして円山や藻岩山などの山もある。それら自然があることで景観も良い。
僕は札幌のことを、完成された都市だと思っている。あらゆる商業施設が綺麗に並びつつ自然もある。そしてそれら全てに徒歩で行ける。都市機能としてこれ以上望むものがない。
そんな完成された都市で楽しく生活してきたのだけど、一方で僕は前提として低コスト生活を志向している。
生活費を月10万円程度に抑えることで、なるべく金のための労働はせず好きなことをしていたい価値観で生きている。
なので、そもそも商業施設で買い物をすることがあまりない。外食もごくたまにしかしない。
単純に、そういうお店の中をぶらついてるのが好きなんだ。まんだらけで昔のアニメ雑誌を眺めていたり、ブックオフで100円小説のコーナーを端から端までチェックしたりするのが、趣味として好き。
家賃の安い賃貸に住み、月10万円の予算で生活し、都市と自然が融合した綺麗な街の中を散歩して、まんだらけに立ち寄りアニメ雑誌を眺める。
そんな生活をゆるく送ってきた。
でも、商業施設で遊ぶことにはもう満足してしまった。
率直に言って、さすがに飽きた。もう十分だよ、全ての棚のアニメ雑誌に目通しちゃったよ。駿河屋のレトロゲームコーナーもチェックしきったよ。
一生分のまんだらけと駿河屋に行った感覚がある。
そして、札幌でぶらぶらしながら気ままに生きていく中で、足るを知ることもできた。
実は僕は、以下のようなことだけやってればそれで人生に満足できるのだということを、実体験を通して理解した。
- 本を読む。しょうもない自己啓発書やビジネス書ではなく、人類の歴史や文化や社会構造に関する本や、その他知的好奇心を刺激してくる本をとにかく読みたい。世の中に関する色々なことを知りたい。
- 他人の物語にたくさん触れる。アニメ、映画、小説などで。
- 本や他人の物語、あるいは日々の生活を材料にして色々なことを考えて、文章として整理する。そして発信する。
- たまにでいいので人と遊ぶ。ずっと1人だと孤独が辛くなる。
- 解放的な街の中をのんびり散歩する。
会社を辞めて、商業施設に囲まれながら札幌でぶらぶらと生活していく中で、商業施設を眺めて遊んだり、ちゃんとバイトしたり、山に登ってみたり、札幌情報の発信をしてみたり、ゲーム情報の発信をしてみたり、色々やってみた。
でもそれらはいずれも、途中でもう十分だと思えたり、どこか「自分らしくない」みたいなシックリこない部分があったりして、あまりやる気がしなくなってしまった。
バイトは金のためにやれよって話ではあるけど、ここでは脇に置かせていただく。やりたくないのだ。
そして、いつの間にか「よし、やろう」と意識しなくてもごく自然に毎日やりたくてやっていることだけしている生活に自然と収束していき、結果、足るを知った。
「なんだ、俺って結局これやってればいいのか」みたいな感じ。ついに気付いてしまった。まあそれは、色々経験したからわかったことなのだけど。
ミニマリズムの一種かもしれない。自分にとって本当に大切なものだけが残った。
足るを知った結果、大都市札幌に住み続ける理由の多くが自分の中で消えた。
今後の僕にとっては、賑やかな大都市よりも静かな田舎が合ってるように思える。
なら、そういう環境に身を移したいな……。という話。
2.冬は-10℃かつ大量の雪が降るのに、夏は36℃で東京より暑いのが理不尽だしエアコンが無いのも辛い
2023年の札幌の夏は本当に理不尽だ。
-10℃かつ大量の雪が積もった冬を乗り越えたのだから、夏は東京より涼しくなくてはならない。それは札幌にとって義務だと僕は思っている。
ましてや、東京より暑くなるなんてことは絶対に許されない。
そんな絶対に許されない行為を、2023年の札幌は犯してしまった。
「たまたま1日だけそういうイレギュラーな日が出来ちゃいました」なら、「ちょっと札幌氏もミスっちゃったねドンマイ!明日からはまた頼むぞ」で流せるよ僕も。寛大だから。
でも2023年の札幌氏は、もう数え切れないほどにやらかしたよ。いや数え切れる程度かもしれないけど。別に僕も毎日厳密に札幌と東京の気温を比較してるわけじゃないから。記憶にある限りで5日かな。多分。
でも僕は本当に寛大だから、その5日だけが特別イレギュラーで東京より暑い日だっただけで、その他は東京が33℃の日も札幌は28℃だったら、イレギュラーな5日には目を瞑ってもいい。寛大だから。
でも実際は全然違った。イメージとして、東京33℃に対して札幌31℃の日が1か月以上に渡って続いている。
さすがにそれは、話が違うじゃないか。何かしらの契約違反だろ。
寒い冬を乗り越えた分、夏は涼しくなきゃダメでしょう。そこはトレードオフでしょうよ。冬は-10℃かつ大量の雪で、夏は連日30℃越えなんて、理不尽でしょう。
「自然に対して何言ってんだこいつ」というツッコミは一切受け付けない。僕は大真面目に言っている。
しかもだ、エアコンが家にないんだよ。札幌の賃貸におけるエアコン普及率は27%らしい。今ググったらそう書いてあった。
そんな環境の中、月10万円生活をする僕が選んだ賃貸にエアコンなんてあるわけがない。
さらに、賃貸が寒い冬を想定して設計されており、すごく熱を持つ。仕組みはわからないけど、とにかく熱を持つ。だから窓を開けて扇風機を回して換気扇も回しても、もう室温が全然下がらない。
夜は外の気温が26℃ぐらいまで下がるけど、30℃以上の昼間に蓄えた熱が消えないので、夜でも室温は30℃。
30℃の中で寝れるかっつーの。もう睡眠がめちゃくちゃだよ。2時間程度の浅い眠りを何度かしてるだけ。暑くて入眠できないし、できても起きてしまう。おかげでメンタルが乱れており情緒不安定になっている。
それに熱中症になるっつーの。熱中症で左足のふくらはぎを何度も深夜につったし、耳鳴りもしている。寿命縮めてるでしょこれ。
もう絶対に、エアコンのない環境で次の夏は迎えない。それは絶対条件。
来年の夏は涼しい可能性も普通にあるけど、そんなのわからない。完全に運。自分の寿命が縮むかもしれない問題を運に託したくない。
ということで、どうにかする必要がある。
まず管理会社に「死ぬ可能性があるのでエアコンを付けてほしい」とお願いしたけど断られた。
自費でエアコンを購入して取り付け、退去時に原状回復するならokと言われたけど、それは手間と費用面で論外。それやるぐらいなら多少家賃が上がってでもエアコンがある27%の賃貸に引っ越したほうがいい。
ということで、札幌市内でエアコンのある27%の賃貸に引っ越すことも考えて、色々と物件を探してみた。すると家賃だけみたら予算内の物件もあるにはあった。でも物件を選ぶ際の観点は家賃とエアコンだけではない。その他の観点も踏まえると、住みたいと思える物件は無かった。
窓に取り付けるエアコンなら手間と費用は許容範囲に思えなくもないけど……いや、やっぱり許容範囲外だ。数万円の大きな物を買い、取り付けて、冬は二重窓を閉めたいので取り外してどこかに保管する……理不尽な気候に対してそこまでして対応するのが嫌だ。理不尽が大嫌いなんだよ俺は。それに僕のミニマリズム心も「そんな大きな物持ちたくない」て言ってる。
じゃあ、もう無理じゃん。札幌市内で住むのは詰んだよ俺。
札幌に住み続けたいモチベーションがもっと高ければ、ちゃんと働いて家賃の予算を上げたりするのかもしれない。
でも、理由1(足るを知った)により田舎に居を移したい気持ちがそもそもあるし、働きたくない。
ならそろそろ札幌から田舎へ移ろうかな、という考えに至った。
だいぶ長く書いたので今回はここまでにする。
次の記事で、なぜ移住先として杵築を検討しているのかを書いていく。
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