以下の続き。
上記記事では、札幌へ移住した理由と、札幌を去ろうと思っている理由まで書いた。
今回は、なぜ次の移住先として杵築を検討しているのかを書いていく。
杵築を検討している理由は以下3つ。
- 今よりさらに生活費を下げられる
- 今後送りたい生活イメージと街が合っている
- 杵築の情報が少ないから発信したい
それぞれ深堀して書いていく。
1.今よりさらに生活費を下げられる
既に界隈ではあまりにも有名すぎるので今さら僕が言うまでもないのだけど、なんといっても杵築は家賃が安い。
古い木造アパートではなく、築20年前後で設備も整った鉄筋マンションが家賃1~2万円ほどで借りられる。
ホームズなどの物件検索サイトで地域を指定せず物件検索し、家賃の安い順に並べると上位は杵築ばかり。
綺麗な鉄筋マンションが全国一安いということは、全国一住むのに不便な場所なのかと思いきや、そんなこともない。
都会か田舎かでいうと100%田舎だけど、ド田舎というほどではない。
杵築市内の中心部に住めば、車どころか自転車すら僕の場合は多分必要ない。図書館、スーパー、ドラッグストア、病院などは徒歩圏内に揃っている。歩くの大好き。
札幌のように複数のスーパーがあちこちに点在しているわけではなく、1つの店しかないけれど、1つあれば十分だ。
ではなぜ杵築の家賃が安いかというと、書くのが面倒くさいので気になる人はググってください。
生活費を下げるためには固定費を下げることが超重要。無理のない範囲で、という前提はあるが。
無理ない範囲で固定費を下げられれば、それ以降は何も考えなくても、何も工夫しなくても、生活費が自動的に節約され続けていく。
買物を控えるとか髪を切る回数を減らすとか、こまめに電気を消すとか、そういうことを一切しなくてもいい。だから生活費を下げるには第一にとにかく固定費を下げることが重要だと思っている。
固定費って概して高いし。数千円とか数万年とかする。そういう高いものを削れたら節約効果が大きいっていう単純な理由もある。
そして生活費における最大の固定費はもちろん家賃。じゃあまず第一に家賃を下げたいよねっていう話。
もう個人的には家賃以外の固定費は下げ切っている。車は手放した。原付二種のバイクも手放した。スマホはマイネオで1000円。サブスクはこれがないと生きていけないレベルのものしか入ってない。だから家賃しか減らせる固定費がない。
ところで、最低限の利便性は揃ってるのに家賃は全国一安いので、杵築はFIRE・リタイアの聖地みたいに言われたりもしている。
でも僕は別にそういう風潮に影響を受けたわけではない。この点は声を大にして強調しておく。界隈の風潮に流されたのではないぞと。
杵築が全国一家賃が安いことも、その割には普通に住めそうな場所であることも、前情報なんかなくても物件検索してれば発見できる。
そもそも界隈とは全然絡んでない。僕は別にリタイアしたわけでもFIREしたわけでもないと自認しているので。
FIREは、FIしてない事実がある。でも誰がどうみてもセミリタイアだろお前はってところだとは思う。
でも僕の意識としては「俺はセミリタイアしているのだ」みたいなのは全然ない。
シンプルに、いつかそのうち終わる一度きりの人生をなるべく楽しもうとしているだけ。
自分は何をしているときが楽しいのか、どう日々を過ごしたいのかと言った自己理解と、今生きてる社会がどういう場所なのかの理解。それらを踏まえた上で、なるべく楽しく生きるための判断をしている。
その結果、他人から見たらセミリタイアしてる人みたいになってるだけ。
これまで何度も言ったり書いたりしてきているけど、僕はリタイア(=引退)したい思想は今のところ持ってない。
自分なりにやりたいと思えて出来ることはやっていきたいと思っている。
その一環がこのブログであり、YouTube発信でもある。本も書いてみたい。
そしてその考えは、僕の中では引退とは呼ばない。
僕にとって「リタイア」は生活であると同時に思想でもある。どちらかというと思想のほうが重要だと思っている。
そして僕の場合、確かに生活はリタイアと呼べるけど、思想が違う。
だから、リタイアみたいな言葉で自分を規定するのに違和感がある。
つまり何を言いたいのかというと、FIRE・リタイアを主張している人々と自分をあまり同類だと見ていないので、絡みもなければ影響を受けることもない、という話。
それを主張するために長々と書いてきた。
生活費を下げる話に戻す。
とにかく杵築は家賃が安い。それは素晴らしい。
でも、家賃が安いだけでは、正直言って固定費削減のインパクトはあまり強くない。だって、既に札幌でけっこう家賃が安いんだもん。
札幌の今の家は管理費込みで3.5万円。都市ガスでもある。
一方の杵築は、仮に管理費込みで家賃1.5万円としよう。しかし確実にプロパンガス。地域に都市ガスが普及していない。
それらを考慮していくと、家賃単体で見ると杵築だと月2万円も固定費を削減できるものの、プロパンガスにより月3千円ほどガス代が上がる。
札幌と比べたら暖房代は下がるかと思いきや、僕は札幌に住みながらほぼ暖房を使わない変態なので暖房代も下がらない。
札幌の場合エアコンがないので冷房代は杵築のほうが上がるけど、それは必要経費なのでカウントしない。エアコンのない札幌で快適に過ごしていたのではなく、家の中で熱中症でダウンしていた。もはや札幌の夏は全く涼しくない。東京より暑い日すらある。それは前編で書いた通り。
すると、固定費の削減幅は、家賃で-2万円、ガス代上昇で+3千円、つまり-1.7万円の削減となる。
この1.7万円をどう捉えるべきか。
固定費を月1.7万円削減できるのは確かに大きい。だが、わざわざ札幌から再移住してまで手に入れたいほど価値があるかというと、引っ越し費用なども考慮していくとかなり微妙だ。
札幌から杵築への引っ越し費用は20万円、物件の初期費用は8万円、下見旅行は5万円。ざっくり勘で。合計32万円。
生活費を月1.7万円削減できる前提で、費用をペイするのに32÷1.7≒19か月、1年7か月かかる。
つまり、本当に節約効果を享受できるのは1年8か月目から。
でもどうせ僕のことだから、杵築も2年前後住んだらまた他のところに住みたくなる可能性が濃厚。
となると、実質的には金の節約なんてほとんど取るに足らない結論になる。損はしないがたいして得もしない。
よほど杵築が気に入り長く住むならアリだけど、僕の気持ちの問題以前に家庭の事情的に、長く住むことはおそらくない。
……やはり、生活費削減だけが目的であれば札幌から杵築には移住しない。
でも、金の面以外にも理由がある。それを次に書いていく。
2.今後送りたい生活イメージと街が合っている
詳細は前編で書いたのだけど、とにかく僕はもう、今後は以下のようなことだけしていたい。
- 本を読む。しょうもない自己啓発書やビジネス書ではなく、人類の歴史や文化や社会構造に関する本や、その他知的好奇心を刺激してくる本をとにかく読みたい。世の中に関する色々なことを知りたい。
- 他人の物語にたくさん触れる。アニメ、映画、小説などで。
- 本や他人の物語、あるいは日々の生活を材料にして色々なことを考えて、文章として整理する。そして発信する。
- たまにでいいので人と遊ぶ。ずっと1人だと孤独が辛くなる。
- 解放的な街の中をのんびり散歩する。
こういう生活をする環境に杵築はすごく合っていると思える。
静かな環境。自然や公園がある。大きくて綺麗な図書館。大きなスーパー。それらが揃っている。
「人と遊ぶ」については、オンラインで友達と遊びつつたまに帰省もして、発信活動してればそれでいい。大分空港が近くにあるので帰省もしやすい。
日本全国を見渡せば杵築よりもっと適した環境はあるだろうけど、そこでやっぱり生活費。生活費の削減により、おそらく最低でも実質無料で移住できる。
実質無料で、今後の自分の生活に合ってると思える場所に移れる。それが魅力的に思えている。
まだ一度も杵築には行ってないので事前情報からの想像でしかない。
3.杵築の情報が少ないから発信したい
杵築の情報をYouTubeなどで検索してもあまり出てこない。
移住した人(主にリタイア系の人たち)の動画もあるにはあるけど、数が少ないと思う。
もっと、たとえば
- スーパーの品ぞろえ、価格
- ドラッグストアの品ぞろえ、価格
- 各地域の街並みを移住者目線で色々喋りながら撮影
- 図書館に対する感想
- 夏の暑さ、冬の寒さに対する感想
- 公園の散歩、海沿いの散歩
等をしてほしい。
聖地なんて言うぐらいならそのぐらい誰かやってほしいけど、リタイアしてるからやらないのかも。
じゃあ俺がやるよ。俺は別にリタイアしてるつもりがないから。
そういうの作るの好きなので、純粋に自分の楽しみとしてやりたいし、自分的に明らかに需要を満たせていないので意義もあると思う。
杵築市からしたらほぼ無職みたいなのがますます増えて迷惑かもしれないけど、まあ人口が増えるならトータルではプラスじゃないかな。知らんけど。
おわり
以上3つの理由で、杵築への移住を検討している。
メインの理由が2で、1は「まあ実質無料で住む場所を変えられるだけでも価値はあるし、少しは得でもあるな」程度、3はオマケぐらいな位置づけ。
まだ検討段階でこれから具体的に深堀して調査していく段階だから、「やっぱやめた」となる可能性も大いにある。
なのでこれを読んだ人も、あまり期待せずゆるく見守っててください。おわり。