札幌を去り杵築へ行くと言ったな。あれは多分嘘だ。

2023年夏の札幌は、観測史上最も暑い夏だった。

1か月以上も真夏日が続き、中には東京よりも暑い日も複数あった。

一方で札幌の賃貸におけるエアコン普及率はGoogleによると27%とのことで、僕が現在住んでいる賃貸にもエアコンはない。

 

エアコンがないのに夏が暑い点だけが理由ではないものの、それも理由の1つとして、そろそろ札幌から別の場所へ再移住しようかなと考えたりもしていた。

でも、いざ本腰をいれて次の移住先を考えたときに、札幌以上に住みたいと思える場所がない。

杵築が有力候補だったものの、「セミリタイアの聖地」なんて呼ばれた結果、「セミリタイアして聖地・杵築に移住した私たち」のタグを持つことで自意識が高くなり、かつそのタグを持つ者同士で群れてる連中の存在を確認したのでやめた。

杵築の代表者でもなんでもない、何者でもないただの移住者が、ネットで移住検討者を検索して仲間内で「今度はこんな人が検討し始めたw」「マジかw」「移住してほしくない」みたいなことをやっており、ちょっともう終わりすぎている。

杵築は人生よよよ的な人間嫌いなタイプにとっての聖地であるべきだったのに、働きたくはないけれど人とは群れていたい単なる怠惰な凡人に上書きされてしまった。

杵築へ移住した場合、狭い地域だから絶対にいつかリアルでややこしいことになる。僕はああいう終わってるNPC連中とは違うので目立ってしまう。

 

それに、まだ札幌を十分に味わっていないよなとも思い直した。

行きたいところはもう一通り行ったし、商業施設が密集した利便性はもう十分に享受した。

今後は店は必要最低限でいいので(綺麗で大きくてオシャレな図書館は必須)、静かなところで過ごしたい気持ちが強い。

そういう「どこかに出かけて何かを見る」という意味ではもう十分だけど、北海道札幌市の空気の中に住むという意味で、まだ空気を吸い足りていない気がする。

 

ということで、今の方針としては以下。上から優先順。

  1. エアコンのある札幌市内の物件に引っ越す
  2. エアコンはないが取り付け可能な札幌市内の物件に引っ越す
  3. 来年の夏まで今の家に住み続けてから、札幌を去りどこかへ再移住する

 

複数の方から「窓用エアコンを使うのはどうですか?」とのご提案を頂いているのだけど、窓用エアコンの利用は以下の理由により考えていない。

  • 多くの賃貸で、窓枠に穴をあけて専用レールを取り付ける必要がある。今住んでる物件も同様(今住んでる物件はそれ以外にも取り付けできない理由あり)。
  • 通常のエアコンで言うところの室外機的な機能も本体に含まれているため、運転音が大きい。
  • 常に一定の電力で運転し続けるため、通常のエアコンより消費電力が高い。
  • 部屋の景観的に、あまり好きではない。
  • 通常のエアコンと比べて冷やす能力が低く、札幌の賃貸によくある1LDKな間取りの場合、LとDを冷やすのは厳しい。
  • 冬は二重窓を閉めたいので、そのために窓用エアコンは取り外して部屋のどこかに保管する必要があり、面倒だし大きなものを部屋に保管したくない。
  • 通常エアコンがある物件に引っ越したら不要になるけど処分するのが面倒くさい。

通常エアコンと比べて利便性が劣る点や、僕のミニマリスト的気質による拒否感もあり、窓用エアコンは考えていない。

 

第一選択肢は、「エアコンのある札幌の物件に引っ越す」だ。

しかし、この選択肢に沿って連日に渡り行動しているものの、成果なし。むしろ厳しいことがわかった。

住居関連の固定費(家賃、管理費、ネット、ガス、水道など全て込み)を今より月1.3万円上げることで、エアコンが付き、かつ他の条件も満たす物件は複数見つかった。

しかし月1.3万円も上げるのは、ハッキリ言って嫌だ。

固定費を低めに抑えることは、僕の今の生活(なるべくライスワークをせず、好きなことして日々を過ごす)を実現する上での生命線とも言える。

今から月1.3万円も増やしていいのなら、東京都心以外の全国どこでも物件が見つかってしまう。

福岡や仙台のほうが安くて良い物件が見つかるぐらいの状況にもなる。

 

札幌の場合、エアコン有を条件に加えるだけで物件数が体感で1/4に絞り込まれる。普及率27%の通り。

さらに、プロパンガスを使ったガスストーブは避けねばならないので、「都市ガス」あるいは「プロパンガスだけどストーブは灯油」の条件も加わる。

僕は真冬でもほぼストーブを使わずこれまで過ごしてきたけど、それこそ今回の夏のように、今度は記録的に寒い冬が来る可能性もある。なのでプロパンガスのストーブは避けたい。

さらに、オーソドックスな1Kの間取りがとても少ない。僕は普通の1Kがいい。

キッチンと洋室が分かれていて、キッチンの横に冷蔵庫が置けて、洋室以外に洗濯機も置けるような、ごく普通の1Kが本当に少ない。本州では逆にそんな間取りばかりなのに。

雪国なので事情が異なるのかもしれない。1Kで十分な広さなのに、なぜか1DKや1LDKのように部屋を分けている間取りが多い。

広い1部屋より、狭い二部屋のほうが個人的には使いにくい。

そして冷蔵庫も洗濯機も洋室に置くしかない間取りになっていて、かつ移動できないストーブもあるので、家具配置への制約が大きくて住めないパターンが多い。

このような事情が複数あるため、エアコン有の物件探しに難航している。

 

じゃあ、もう通常エアコンを自腹で買って取り付けるか?二番目の選択肢。

かなり避けたいけど、案としてはある。

その後別のエアコン有物件へ引っ越す際は「エアコン一式を全て置いていってよい。譲渡する。原状回復もしなくていい」と取り決めできる前提ではある。

でもそんな取り決めをできるかどうかを確認するのは手間すぎるし、そもそもエアコン取付可能かどうかも不明。逐一確認しないとわからない。

 

みたいな状況の日々。

色々と面倒くさがりすぎている面は否定できない。なるべく不要な物を持ちたくないし、物を管理したくない。

買うのも管理するのも処分するのも面倒くさい。

「月1.3万円ぐらい働いて稼げ」と言われたら何も言い返せない。

でも、嫌なのだ。とにかく働きたくない。

正確に言うと、やりたくないことをやりたくない。やりたくないことをしてまで金を稼ぐより、金を使わない生活のほうがマシ。

金のためにやりたくないことをすると、心の中にどんよりしたモヤモヤが発生して、その存在が生活全体に悪影響を及ぼす。

 

断言はできないけど、少なくとも来年の夏前までは札幌に住み続けようかなとは思っている。わかんないけど。