YouTube発信について色々考え過ぎてきたけど、今後は雑記ブログみたいに自由にやることにした

YouTube発信を始めてから、約2年が経った。

2021年9月上旬に、前々から興味があったYouTube発信というものに思い切って手を出してみたのだ。

癌で闘病していた母と死別してから約1か月後の時期だった。

「人生って、本当に終わるんだな。それなら、興味あることは出来るうちにやろう。そうしないと絶対に後悔する」と考えて、それまでは何となく二の足を踏んでいた動画発信に挑戦してみた。

 

それから約2年。

何者でもない無名な凡人の作る動画なんて、チャンネル登録者数100人にも届かず、ほぼ誰からも見られないだろうと思っていたのだけど、複数のチャンネルで収益化できるまでになった。

これは完全に想定外で、自分に対する自信に繋げることができた。

それに、動画制作の作業が面白かった。思ってた以上にその創作活動にハマっており、2年経っても全く飽きない。もはや日々やることの一つになっている。

まあ僕の場合、凝った動画編集をする的な興味関心は全然なくて、ただひたすら、喋ったり景色を撮影したりしているだけなのだけど、そういう動画を作るのが楽しい。

 

この2年間に作った動画は約300本。我ながら感心する。動画300本を制作する作業量を想像すると気が遠くなる。

しかし、塵も積もれば山となる。2年間、淡々と作業を積み重ねていくことで、気が遠くなるような作業量に到達できる。

今後は僕が寝てる間も300本もの動画たちが日々少しずつだけど再生され続け、収益を生み続ける。やったぜ。計画通り。

 

……なんて状況には、全くなっていない。

ここからが今回の本題。

「活動2周年おめでとう!頑張った!イエーイ」という趣旨の文章ではない。

反省点ばかりの2年間を客観的に振り返り、今後の活動方針を導いていくための文章だ。

 

300本も動画を作ってきたというのに、現在YouTube上で公開されている動画は100本にも満たない。

なぜそのような状況になっているかというと、これまで大量に動画を消してしまったため。

「果たして俺は誰に向けて何を発信すべきなのか」みたいなことをぐるぐると考え過ぎた結果、「この動画はこのチャンネルには相応しくなかった。消そう」という結論に至り消したりしてきた。

あるいは、考え過ぎて混乱してきて、「そもそもこんな動画は誰に対しても価値がない。何が面白いのこれ」という方向へ思考が進む場合もある(何かしらの精神的な症名がつく何かだと思う。割とマジで)。

価値がないと思った動画を公共の場に晒してプライバシーリスクを負うのなんてバカバカしい。消してしまおう。という一連の流れが生じる。

 

ゲーム発信や自炊発信などジャンルが明確なチャンネルに関しては、考えすぎることはない。淡々と一定の軸で作り続けることができる。

これらのチャンネルに関しては、明らかな失敗作以外は多分消してない(どちらも別の理由でもう更新していないが)。

一方で「会社を辞めたり札幌へ移住もした自分の価値観やライフスタイル」の発信において、一体これは誰に向けて何をやってるんだろうという、アイデンティティの危機的な何かを迎えることが度々ある。

札幌移住や札幌自体に感心のある人に向けた発信なのか?

それとも、いわゆるセミリタイア的なライフスタイルに興味がある人向けの発信なのか?

そこがいつもわからなくなる。

「なんで俺、地元札幌を愛する心の綺麗な札幌市民も登録してるチャンネルで、会社をやめた体験談とか会社なんてクソだとか世間嫌いなひねた価値観を開陳してるんだろう」

「なんで俺、スローライフ的なライフスタイルに興味がある人に向けて、札幌の商業施設の話をしてるんだろう」

みたいな違和感が生じてくる。

 

その違和感を解消したくて、何度か発信内容を絞り込もうとしたことはある。

「よし、もう札幌移住の経験共有に内容を絞って発信していこう」みたいに。

でも、そうやって内容を絞り込んで動画を作っていくことが、ハッキリ言って楽しくない。

「人の役に立つ情報を提供する」という意味では、想定視聴者を具体的に定めた上で、ニーズに沿った動画を作るのが常套手段だろう。賢いやり方だ。

でも、僕はそもそも、そういうことをしたいわけではないのだ。

せっかく何かを発信するのなら、情報として役立つに越したことはないとは思っている。

でもそれは自分にとって、発信活動の目的ではないのだ。

 

僕にとっての発信活動の目的は、

  • 内省気質な根暗野郎のため、書いたり喋ることそれ自体が好き。書く、喋る=考える行為であるため(特に書くことが好き。僕にとって喋りは、それ以前に書いたことを脳内の引き出しから取り出して喋っているにすぎない)。
  • 発信しなくても毎日大量に書いたり家で独り言を喋ってる人間なので、せっかくなら発信したほうがより内容を整理できる。人に向けるとなると、自分の中だけで完結させる場合と比べてちゃんと内容を整理する必要があるため。そしてその情報整理作業がまた楽しい。
  • 楽しい行為をしながら発信した結果、お金も入るならそれは当然嬉しい。

 

こういう目的で発信している。

つまり、特定のジャンルに絞ることで役に立つ情報を提供することを生業にしたいわけではなくて、ただ書いたり喋る行為が好きで、せっかくだから発信もしている。

分かりやすさ重視ですごく端的に言ってしまうと、「人に価値を提供する仕事」ではなく「自己満足の趣味」でやっている。

だから特定のジャンルに絞って価値を提供しようとすると、なんだか窮屈な感じがしてきて、それが辛くなる。

複数のチャンネルを作り、ジャンルごとにチャンネルを使い分けることで窮屈感を打破しようとしたこともある。

しかし「この動画は札幌。この動画は会社を辞めてスローに生きたい的な価値観」みたいに綺麗に分けられなくて、結局ゴチャゴチャになる。

一方の動画の中にもう一方の話も自然に入り込んでしまうので、分けられなくなる。

 

分けられないのも当然だ。他者のニーズに応える仕事をしているのではなく、所詮は自己満足の趣味なのだから。

本当は自分の発信活動を「趣味」と呼ぶことには若干の抵抗がある。趣味の範疇は明らかに超えた思い入れと熱量で取り組んでいるため。

でも仕事と呼ぶのは傲慢な気もする。仕事か趣味の二択で言うなら、趣味ではある。他者に向けてるのが仕事で、自分に向けてるのが趣味という区分け。

 

僕は他者へ向けた発信をしているようでいて、その実態はただ自分の書きたいことを書き、喋りたいことを喋っているに過ぎないのだ。

いうなれば、すずひらという個人の需要を満たす動画を作っている。

そしてすずひらはこの世に1人しかいないので、すずひら向け動画を他者のニーズごとに分割していくのは無理な話だ。

 

にもかかわらず、発信をしているとつい、自己満足で自分のためにやっていることを忘れてしまう。

誰かの役に立つ何かを自分はしているのだと調子に乗ってしまう。錯覚してしまう。

「参考になりました」「面白かったです」などのコメントをもらえるとやはり嬉しい。そして「もっと参考になるようなものを作りたいな」と、その気になってしまう。

僕だってそれなりに社会の一員だし人間だから、人に貢献したい欲求はある。

それに、人への貢献度合いが上がる=仕事の側面が増す=収益が増える も成り立つ。やはりお金は欲しい。

しかし繰り返し上述してきたように、少なくともこれまでやってきたYouTube発信に関しては、そもそも根幹が自分に向けた趣味であるから、そこで無理が生じる。

根幹部分から無理が生じている状態で「俺って誰に何を提供してるんだっけ」という正解のない思考ループに入る。

正解がないというか、正解は「自分の楽しみのためにやってる」なのだけど、偶然にも人の役にも一部立ててしまう場合もあることで、それを忘れていく。

そして「これは登録してくれてる人のニーズと合ってない動画だった。消そう」みたいな貢献欲の思考に染まっていく。

 

他者へ貢献したいと思う気持ちはなんら否定すべきことではない。素晴らしい心理だと思う。僕は本当に根が真面目でよく出来た人間なのだ。

ただ、現在のYouTube発信活動に関しては、第一の目的は他者への貢献ではない。目的は自己満足なのだ。

「自己満足」と言うとなんだか聞こえが悪い気もする。「くだらないお遊び」なニュアンスがなんとなく含まれてくる。

でも、自分にとってはくだらなくないし、お遊びでもない。

頭の中に溢れている思考の断片を、整理しながら外に出す行為は生存において不可欠な営みなのだ……。

 

以上、YouTube発信を開始して2周年を機に、これまでの自分の活動における反省点を整理してきた。

その上で、今後はもう、自己満足でやってるチャンネルに関しては、完全に自由にやることにした。

何も考えず、作りたい動画をごちゃ混ぜに1つのチャンネルに投下していくことにした。

たとえるなら、このブログみたいなものだ。このブログは完全に雑記で書いている。

何のテーマもない。ただ書きたいと思ったことを無軌道に書いている。

ブログならそれが自然にできる。動画と比べて受け手との距離が遠いからだと思う。受け手に届いているのは僕自身ではなくあくまで僕が書いた文章だから。

一方で動画だと、自分の姿や声そのものが届いていく。その内容に対しての反応を貰うと、ちゃんと一定のニーズに対応したものをしっかり作るべきだよな、という気負いが生じる。

 

でも、2周年を機に、その気負いを卒業していく。

雑記ブログならぬ、雑記YouTubeチャンネルを作っていく。