映画『THE FIRST SLAM DUNK』面白かった

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 映画『THE FIRST SLAM DUNK』を映画館で観てきた。面白かった。

現在37歳の僕はスラムダンク直撃世代であり、原作漫画も当時のアニメも子供の頃から何度も観た。今でもプライムビデオでアニメ版を酒の肴にしている。

そんな人間なので、監督と脚本を原作者が担当している新作映画を映画館で観ること自体は決定事項。義務。だから今日、義務を遂行してきた。

 

事前の温度感としては、あまり期待してなかった。作品自体は素晴らしいのかもしれないけど、鑑賞済みの人から漏れ聞こえてくる要素(宮城が主人公で、回想しながら山王戦を描く。声は全員昔のアニメから変わってる)に全然ピンと来てなかった。

「なんで今さら宮城を掘り下げるんだ?」

「声が違うのは絶対に違和感が大きすぎる」

「山王戦なんて漫画で100回読んで隅々まで覚えてるから、どんなに映像がリッチになってるとしても、今さら別になぁ……」みたいな感情。

 

とはいえ義務なので、公開から1か月以上空けて(混んでるのが嫌なので)義務感で鑑賞した結果、けっこう混んでたけど、行って大正解だった。これは映画館で触れておきたい作品。

何もかも知ってる山王戦なのにも関わらず、映像の演出が良すぎてクライマックスで涙くんでしまった。原作漫画と同様に、試合終盤のクライマックスではセリフも効果音も一切ない無音の映像が1分ぐらい続いて劇場内がものすごく静かだった。空気が張り詰めていた。

普通、静かなシーンって誰かの咳払いとか、ポップコーンをガサガサ漁りムシャムシャ食べる音とか、鼻水をすする音とか、身じろぎして服がこすれる音とか、そういうの絶対に聞こえてくるんだけど、マジで今日のスラムダンクの無音シーン多分1分ぐらいはそういう雑音が何も聞こえてこなかった。すげえ。俺含めて全員、作品の張り詰めた空気に飲み込まれてた。

俺なんか普段は、シリアスで静かなシーンでもお構いなしにポップコーンを貪り食ってるタイプで映画ファンから嫌われる観客だけど、今日のスラムダンクのクライマックスではポップコーンを食べる手が止まった。呼吸もほぼ止まってたと思う。音を立てられない緊迫感が劇場内に充満していたし、映像から意識を離したくない気持ちもあった。

 

宮城の回想部分は完全新規の物語だと思う。なかなか良かった。「え、宮城ってそんな背景を抱えて湘北でバスケしてたのかよ。30年前に言ってよ、そしたらもっとファンになってたのに」とツッコミたくなった。

自分が年を取ったからか、高校生の宮城よりもお母さんのほうに感情移入してた。子供もいない独身のくせに。

最近、女性の好みが30代中盤以降にシフトしているのをハッキリと感じる。子供の頃は高校生の晴子ちゃんにハァハァしてたというのに、今や30代中盤~40代前半と思われる宮城のお母さんにハァハァして恋しそうになった。容赦ない現実の悲しみや辛さを知ってる大人の女性がいい。

 

映像も、一般的なアニメとは全然違った。数枚の原画で目の錯覚を利用して動いてるように見せる普通のアニメではなくて、CGで実写みたいにぬるぬる動いていた。そういう絵作りのテレビアニメもあるにはあるけど、クオリティが全然違う。スラムダンクの絵のクオリティ高すぎ。浴びるようにアニメを見まくってきた俺が言うのだから信じてもらっていい。

特に試合の映像がよかった。ぬるぬる動くCGを活用して、アニメより実写的な魅せ方。かっこよかった。もう一度映画館で観たい。

 

家から徒歩圏内のシネコンにて、木曜サービスデイ1200円で鑑賞した。徒歩圏内にシネコンがあるのはコンパクトシティな札幌に移住したおかげ。平日に映画館に行けるのは会社を辞めたおかげ。会社辞めて札幌に移住してよかった。良い1日を過ごせた。