鳥貴族が超美味かった

昨日、アラフォー男性4人で、かの有名な居酒屋「鳥貴族」へ行き、食べ飲み放題で豪遊してきた。

人生初の鳥貴族だった。僕の中にある鳥貴族のイメージは、率直に言って「安い、不味い、汚い、大学生が騒いでる」だったから、安さ以外に何も期待せずに行った。安さこそ正義。安ければ他の全ての欠点を許容できる。食べ飲み放題2時間で3,500円。全てを許せる価格である。

まず店内に入り席に案内されると、汚れまみれのビニールが天井からぶら下がっており、テーブル中央で仕切りを作っていた。この時点で「やっぱり予想通り、安さだけが売りの汚い店なんだな」と少し萎えた。汚いビニールの仕切りを天井からぶら下げて客の前に突きつける飲食店。常識的に考えておかしい。感染対策に気を取られ過ぎて他のことに意識が向かない典型的な症状に陥っている。大丈夫かこの店は。バカなんじゃないか。そう不安になりながらも、やっぱり安さこそ正義。だから僕たちは、不平不満を漏らすこともなく、淡々とビニールをぐるぐると巻いて視界からどけた。

さて、気を取り直して大量の酒とメシを注文しようとタッチパネルを引っ掴んだのだけど、なぜかメシが注文できない。「すみません、食べ物が注文できないのですが」と店員さんに尋ねたところ、最初に勝手に運ばれてきたポテトフライとその他細かなおつまみを完食しないと注文できないルールであることを知った。小賢しいことするよ、本当に。完食するのに時間が掛かるポテトフライを食べ放題前のノルマとして突きつけてくるのが本当に小賢しい。反発心から男4人で一瞬で平らげてやった。ちなみに味はポテトフライもその他のおつまみも至って普通。おつまみなんかはもはや記憶に残ってすらいない。昨日のことなのに。

まあ、いいんだ。安く大量に食べて飲めればもはや何でもいい。だから焼鳥を大量に注文した。次々と届く焼鳥たち。まあスーパーの惣菜で一本50円で売ってるレベルだろうなと思いながら食べた。美味かった。美味かった。超美味かった。

食べ飲み放題2時間3,500円のコストから想定される味を超えている。汚いビニールの仕切りを付けてくる店の味ではない。

焼鳥の他にも色々と食べて、そのどれもが美味かった。特に鳥釜飯は絶品だった。釜飯の専門店で食べられるようなレベルに思えた。なんの印象にも残っていないのは最初に強制的に出てきたポテトフライとその他の何かだけだ。はじめに印象を落としてから上げる作戦なのだろうか。不良が捨て猫を拾ったら本来以上に良い奴に見えるあの心理効果を狙っているのだろうか。

酒に関しても、ちゃんとしていて逆に驚いた。安い飲み放題にありがちな「ビールを頼んだはずなのに発泡酒が出てくる」「ウーロンハイがほぼウーロン茶」みたいなことがなかった。それだけで評価が上がってしまう。

ということで、鳥貴族は、はじめに印象を落としてから上げる戦略が上手いなと思った。コロっと心を持ってかれました。美味しかったです。ごちそうさまでした。