先日、ヘリノックスというメーカーの「チェアツー Home」というアウトドア用の椅子を購入した。
そして今日、この椅子を折りたたんでリュックに入れて、近くの公園に持ち込んで座ってきた。
そしたら最高だった。
「外でお気に入りの椅子に座ってのんびりするのって、きっと楽しいんだろうなあ」とイメージしていて、実際にやってみたくなってやってみた結果、想像を超えて楽しかった。
人生において何かしらの新しい境地に到達したぐらいの感覚がマジである。
外に椅子を持っていき、座りながらのんびりリラックスする遊びを「チェアリング」と言うらしい。
人生初のチェアリング行為が最高だったので、色々書いていく。
チェアリングしたいと思った経緯
僕は外を散歩するのは好きだけど、それ以上のアウトドア的な何かしらには今まで全く興味を惹かれなかった。
色々と道具を用意するのが面倒くさいし、疲れそうだからだ。
わざわざ外でレジャー的なことをして遊ぶより、手ぶらで散歩したり、図書館で読書したり、マクドナルドでブログを書いたり、家でアニメを観たりゲームをしていたい。
でも2か月前ぐらいにアニメの『ゆるキャン△』を観ていたら、「キャンプ、面白そうだな……」なんて思ってしまったのだ。ミーハーすぎる。
僕って自分のことを、流行とは無縁に己の世界で生きているミーハーとは対極の存在だと思っていたのだけど。自己理解を改めないといかん。
『ゆるキャン△』でコロッと「キャンプ、ええやん……」となった。
多分、自分の中で「何か新しいことをやってみたい」という欲求が無意識化で醸成されていたのだと思う。
そんな状況下で、初々しくキャンプに興じる『ゆるキャン△』キャラクターたちに感情移入してたら興味が出てきた。
とはいえ。じゃあ本当に自分でもキャンプをするかというと、それはまた別問題。
正直言って色々とハードルが高い。
虫が苦手だし、汚いトイレを使いたくないし、移動手段が徒歩と電車とバスしかないし、札幌だから熊もちょっと怖い。
何もかも初めてなキャンプなんて高度な行為を、温室育ちな横浜シティボーイすずひらが一人で敢行なんてしようものなら、何かしら致命的なミスを犯して帰らぬ人になりかねない。
でも、アウトドア的な何かをやってみたい。そんな気持ちはやはりある。
すっごく楽しそうに思える。最高の気分転換になりそうだ。非日常体験も味わえるだろう。
やりたい。やりたいぞ。
では、どうするか。僕ができる範囲で何か妙案はないだろうか……。
とにかくライトに出来て、それでも楽しそうに思えて、非日常体験を味わえそうな何か。なんだろう。
色々と思案している中で「……あ、そうだ。公園や浜辺でとりあえず座ってのんびりしよう。それぐらいならできる」と思い至った。
その案に至ったのも『ゆるキャン△』の影響だ。
登場人物の志摩リンちゃんが、テントを張るわけでもなく、ただ椅子に座って心地よさそうに自然の中で過ごしていたシーンがあって、それが自然と頭に浮かんできたのだ。
椅子に座ってまったりしてるリンちゃんの姿を自分に置き換えてみたら、すっごく、現実にやってみたくなった。
ヘリノックスの「チェアツー Home」を選んだ理由
ということで椅子が必要だ。椅子だけが必要だ。よし、買おう。
低コスト生活を志向している僕としては、なるべくコスパが高いものを選びたい。
ただ「コスパ」とは難しいもので、ただ安いものを選べばいいわけではない。
その物から得られる価値に対して価格が安いもの、という意味でのコスパを見極めないといけない。
僕は物を買う際に「どうせ買うのならちゃんとしたものを買いたい」「機能が必要十分で、お気に入りの物を使っている楽しさも味わえるようなものを買いたい」みたいなことを考えている。
その考え方に沿って色々な椅子を調べたり、試し座りした結果、ヘリノックスの「チェアツー Home」に決めた。
ヘリノックスはアウトドアの椅子業界においては定番中のド定番らしい。
でもアウトドア関連の知識は『ゆるキャン△』からしか得ていない門外漢なインドア根暗オタク野郎な僕は知らなかった。
ハッキリ言って、価格は高い。僕が買ったときはAmazonで約1.6万円だった。
今見ると1.8万円に値上がりしている。それでもけっこう割引されている。アウトドア用品店やヨドバシだと2.2万円だった。
でも、ヘリノックスの他のいくつかの椅子や、他メーカーの椅子と試し座りしながら考えた結果、これが欲しかった。
座り心地が良かったし、デザインも気に入ったからだ。家でも使いたくなるぐらいオシャレなデザインをしている。
この椅子なら「自分のお気に入りな椅子」として愛用できそうだ。
お気に入りな物を使う楽しさを享受できる面も込みだと、1.5万円の価値がある。
お気に入りというほどではない椅子を5,000円で買うよりも、お気に入りを1.5万円で買うほうが僕にとってはコスパが高い。
あと、軽いのも良い。リュックに入れて持ち運ぶので、軽いと助かる。買った椅子は1.2kgぐらい。
もっと安いメーカーのものは2kgぐらいだったりして、気軽に持ち出すにはその差は割と大きいように思えた。
ということで、どうせ買うからにはこれを買おうと決めた。
家で組み立てや収納してみたり、座ってみた
Amazonで注文して数日で家に届いた。
で、外で使う前にまずは家で使ってみた。組み立てや収納に慣れておきたいので。
購入前にアウトドア店で実際に組み立て・収納を試させてもらい、すごく簡単なことは確認済みではあったけど、改めて家でも落ち着いてトライしてみた。
で、やはり超簡単だった。組み立ても収納も1分かからない。初めてやったときで多分2分。何度かやって慣れてくると1分かからず完了できる。
僕は手先が不器用で、物を組み立てたり収納するのって苦手な人間なのだけど、そんな僕でも出来るのだから、誰でもできる。そのぐらい簡単。
家で実際に座ってもみて、相変わらず心地よい。
でもまあ、「こんなもんだよな」ぐらいな感覚でもあった。
軽量なアウトドア用の椅子というカテゴリの中では座り心地が良いというだけで、家で使ってるゲーミングチェアやソファーと比べたら当然ながら快適性は劣る。
ゲーミングチェア→ソファー→チェアツーHome→ゲーミングチェア みたいな感じで比べてみて「まあ、アウトドア用だからこんなもんだよな。ゲーミングチェアとソファーって超快適だな」と思ったりもした。
外で座ってみたら、超快適に感じた
家の中でのテストも終了したので、今日、さっそく外で使ってみた。
チェアツーHomeをリュックに入れて、「椅子なのに軽いなあ!」なんて楽しくなりながら、札幌にある中島公園という公園に徒歩で向かった。
途中、札幌にしかないサンドイッチ専門店「サンドリア」に立ち寄り、サンドイッチを買った。もちろん公園で座りながら食べるためだ。
中島公園に到着してからは、日当たりが良くて広々していて眺めの良い場所を選定した。
そして、ドキドキワクワクしながらお気に入りの椅子を組み立てた。
すぐ横に公園のベンチがあるのに、あえて自分の椅子を組み立てた。まさにアウトドア初心者だ。初体験による楽しさで舞い上がっている。
そして、ついに外で座ってみた。緊張の一瞬、みたいな心境だった。
アウトドア的な遊びに全く関心を向けてこなかった僕が、アウトドア用品を買い、外で使おうとしている。他人から見たら、ただアラフォーほぼ無職なオジサンが平日昼間に公園で椅子に座ろうとしているだけだろう。しかし当人からしたら、これは未知へのトライなのだ。
さて。
緊張の一瞬を経て、ついに僕は外でヘリノックスに座ってみた。
そしたら、店や家で座ってたときと、座り心地が全然違うんだよこれが。
椅子自体は何も変わっていないので完全にプラシーボ効果だろうけど、「うわあ!こんなに快適だったっけ?!」てなった。
自分のお気に入りな椅子をわざわざ外に持っていき、わざわざ組み立てて、美しい景色を眺めながら外で座るっていう、その状況がプラシーボ効果を発揮してくれたんだと思う。
まあなんでもいいよ、とにかく快適に感じた。
平日の真昼間に公園で椅子に座りながらサンドイッチを食べ、「何もかも最高だな、この時間。景色、座り心地、食事。全てが最高。人生が新境地に達した」みたいに独り言を喋ってた。
↑ヘリノックスに座りながら眺めていた景色
普通に周囲には人がいたけど、あまり他人の目が気にならない僕の特徴を活かして存分に楽しんできた。
独り言を喋りまくりながらYouTube動画の撮影もしてきた。
素晴らしい趣味を見つけた
椅子を買い、それを普段使いのリュックに入れ、ただ移動するだけで、移動先が非日常空間に変化する。
中島公園はこれまでに何度も散歩しており、もう僕にとっては日常空間なのだけど、今日の中島公園は非日常だった。
ただ自分の椅子に座るだけで非日常になる。すげえ。
今後、色々なところに椅子を持って出かけたい。
札幌は今から1.5か月で雪が降ってくるので、それまでに行きたいところに色々行こうと計画している。