いつものように札幌を散歩していたら、大通公園のそこら中でライラックが咲いていた。
僕は植物に対する特段の関心がある人間ではないのだけど、そんな僕ですら、綺麗なライラックを見ると、綺麗なライラックだなあと思う。なんでかっていうと、綺麗なライラックだからだ。
ライラックは別名リラとも呼ぶ。フランス語で「lilas(リラ)」、英語で「lilac(ライラック)」だからだ。完全に知ってた。物知り顔で書くためにググって5秒前に得た知識ではない。
至近距離で凝視してきたのだけど、ライラックは不思議な造形をしている。
自然の神秘を感じる。どういう遺伝子をしてたら、こういう凝縮した造形美が完成するのか不思議でならない。人間の美術家が設計したわけではなくて、自然に発生したのだろうから、すごいことだ。
ライラックは香料の原料にも使われるとのことで、香りもとても良い。花びらを10枚程むしってお持ち帰りしたかったけど、せっかくの綺麗なライラックの造形を崩してしまうと良心が痛むので我慢した。
大通公園では現在「さっぽろライラックまつり」という催しも開催している。ライラック関連の展示があったり、「さっぽろラーメンショー」や「ライラックワインガーデン」も同時開催されており、賑わっていた。
まったく……。綺麗なライラックはただライラックとして純粋に堪能するべきだ。ライラックの美しさに便乗してラーメンやワインを売ろうというのは資本主義の歪みという他ない。何でもかんでもビジネスに繋げようとする世の中に僕は異を唱えたい。世の中には金儲けよりも優先されるべきことがある。ただ静かに孤独に美を堪能する時間もその中の1つ。
そういえば、今日はラーメンを食べてワインを飲み、とても満足感が高くて楽しかった。さすが札幌だよね。以上です。