週5日1日8時間労働を疑問視する人が増えてるのは当たり前。行動して脱出しよう。

さっき、Xで以下のような記事が表示されて、思わず読んでしまった。

 

だいぶざっくり要約すると、以下のような内容

  • 会社に人生を捧げてきた世代とZ世代は仕事の価値観に大きな隔たりがある。
  • 具体的には、Z世代は週5日、1日8時間プラス残業が当たり前な働き方へ疑問を持つ傾向にある。
  • その理由は、「そんなに働いたら自分の生活が犠牲になる」「そこまで会社で働く意味を見出せない(昇給などの分かりやすいリターンを得にくい/自分の成長に繋がらない/社会的な意味も感じられない等)」
  • Z世代は「この仕事をする意味」をお金以外でも考えて、納得できるかどうかを重視する傾向にある。

 

概ねこんな内容。

人なんて皆それぞれ違うので世代を主語にして語るのはあまり好きではないのだけど、世代による"傾向"があるのもまた事実。

だから、あくまでも傾向を言っている前提で、世代を主語にしながら書いていく。

 

僕はZ世代ではないけど、この記事で書かれているようなZ世代の価値観には共感できる部分がとても多い。

僕は世代でいうと、1つの会社で長く務めるのが一般的だった世代とZ世代の間ぐらい。1985年生まれの現在38歳。

Z世代に該当する人たちが部下にいたし、年功序列で昇進・昇給して後は終身雇用で定年まで勤めることだけ考えてる上司もいた環境で会社員として働いてきた。

自分は何世代と呼ばれる世代なのか、そういえば知らない。"氷河期世代"よりはちょっとだけ下で、"ゆとり世代"よりはちょっとだけ上ぐらいだと思う。

 

僕が新卒で就職活動をしていた頃はまだ「企業へ就職するのが当たり前」な風潮がけっこうあり、僕含め多くの人が普通に就職していた。

ほんの少し上の世代が氷河期で就職に苦労しているのを直に見てきたから、新卒で就職できるのならしておくべき、という空気もけっこうあった気がする。

でも、いざ就職して会社員として働いている中で以下のようなことをジワジワと感じていき、30歳前後で転職や退職する人がちらほらとした。僕もその一人。

  • これだけ人生の時間を捧げて働いて成果を出したところで、たいして昇給するわけでもない。年功序列で昇給しただけでろくに仕事できない2周りぐらい上な世代の給料を稼いでるみたいなもんで、やってられない。
  • やってる仕事にあまり価値を感じない。昔と違って解決すべき問題はもう少なくなっているけど、何か仕事をしないといけないので無理やり作った仕事が多い。会社の金稼ぎにはなるかもしれないけど、社会的な価値を自分は感じない。別にそんなことしなくてもよくないか?もう十分に満たされてるよ、と思える。

 

統計的に確認したわけではないけど、僕の世代は、上記のようなことを感じて30歳前後で転職や退職をする人が増え始めた世代な気はする。感覚として。

仮にその感覚が正しいとするなら、僕の世代から既に、Z世代と呼ばれる人たちの傾向に繋がる流れはあったと言える。

 

会社に勤めることによるリターンが減ってるにも関わらず、会社に属して週5日、1日8時間も賃金労働をして、もう物やサービスなんて過剰なほど溢れている世の中へさらに何かを追加していく……。

この傾向が、僕の頃よりさらに強まっているわけだから、Z世代と呼ばれる人達が会社に属して朝から晩まで働くことに疑問を抱くのも至極当然だと思う。

本当は不必要なのに科学的に人の脳に働きかけて物欲を刺激してきたり、不足感を感じさせてきて、そこに対して物やサービスを提供することで金儲けしてるばかり。

もはや、企業の金稼ぎのためにマッチポンプをしている状態。経営者や株主にとっては意味があっても、労働者には何の意味もない。

 

ミニマリスト界の名著『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』が出版されたのは2015年。

それからさらに8年も経過し、ますます、ぼくたちにもうモノは必要ない社会になっている。

そんな社会において、週5日の1日8時間も時間を使い、たいしてリターンもないのに強引に物やサービスを社会の中にねじ込んでいく……。

 

週5日の1日8時間労働の辛さの原因は「時間の長さ」だけではなく「価値を感じない」にもある。

ここが重要なポイント。

時間が長い。しかも価値を感じない。この2つの要素の相乗効果によって、「なんでこんなに働かないといけないのだろう」という疑問が生まれる。

多分だけど、やってて価値を感じられて、見合うリターンも得られるのなら、週5日の1日8時間も仕事をすることそれ自体は前向きに取り組める人が多いんじゃないかと思う。日本人は本来は勤勉らしいし。

そんな仕事が減ってきているというだけで。

昔と違って昇給しにくいし、年功序列で昇給済みで後は定年まで居座ることしか考えてない無能の給料を支える役目まで負わされるし、ぼくたちにもうモノは必要ないのに無理やりモノを提供しようとする価値の感じられない仕事も増えている。

想像通り「最近の若者は何を甘いことを言ってるのだ」と言ってる人たちがネットでは多数目撃できるわけだけど、そういう精神論の話ではないんだよな。

社会環境が変わってきていて、それに応じて色々な価値観も変わってきている中で、労働観も変わってきている、というごく当たり前な人間社会の変化が起きているという話。

 

ここまで、今の社会では週5日・1日8時間労働を疑問視する人が増えてるのは当たり前である、という話を書いてきた。

とはいえ、僕は別に現状の社会への不満を言いたいわけではない。

ただ現状の整理をしてきただけだ。

あくまで目的は対策にある。

週5日・1日8時間プラス残業もの時間を、あまり価値を感じない物事に費やしていて疑問を抱く生活を変える対策。

対策としては、社会環境の変化に応じて労働環境も変えていく、なんならそろそろ、資本主義が行き過ぎて金儲け至上主義(とにかく金を稼いだ奴が偉い、優れている)になってる社会全体の価値観を変えるべき、というマクロな話もしたくなる。

でもそんな大きな話を個人のブログに書いたところでしょうがない。

個人のブログなのだから、もっと個人のレベルでの対策を考えたほうが意味がある。

ということで、今現在フルタイムの会社員をしている個人ができる対策を考えてみる。

 

まず、原因を踏まえると、対策は以下に大別できる。

  1. 「働く時間が長すぎる」への対策→働く時間を短くする
  2. 「価値を感じられない」への対策→価値を感じられる仕事をする

 

1. 働く時間を短くする の例

  1. 生活費を下げてフルタイムの正社員をしなくても生活できるようにした上で、派遣やバイトなどで週休3日とか4日で働く。
  2. 会社員より効率的かつ合法的に稼げる仕事に変える。
  3. 生活費は下げつつ、フルタイムで働いて金を貯めていき、早期リタイアする。

2. 価値を感じられる仕事をする の例

  1. 独立して、価値があると思える仕事をする。
  2. 会社で働きつつ、自分が価値を感じられる活動もしていき、そちらで少しずつでも稼げるようにして、脱サラを目指す。生活費を下げておけば脱サラしやすくなる。
  3. 価値を感じられる仕事をしているところに転職する。エッセンシャルワークや、本当に解決すべき問題を解決しようとしている仕事など。

 

ここでは、今思い付いたものを書いただけだから、他にも色々な対策があるとは思う。

 

複数の方針を同時実行してもいい。

以下、僕の場合の例。

僕はこの方針で行くと、1-3(フルタイムで金を貯めて早期リタイア)で進めている途中、「人生は一度しかないし、いつ終わるかもわからないし、今が一番若いのに、なぜ今の時間を犠牲にして将来のために金を貯めてるのだろうか」と考え直し、早期リタイアなんか全然できない段階で会社を辞めた。

で、生活費を下げた上で、1-1(バイトで短時間労働)、1-2(貯金を投資)、2-1(ブログや動画で発信、個人出版の書籍執筆)を組み合わせてやってる状態。

 

せっかく生きてるわけだし、今が一番若いわけでもあるので、なるべく毎日自分が価値を感じられて充足感も得られることをしていようとしている。

それは別に社会的に立派な何かである必要はなくて、自分が価値を感じられればそれでいいと僕は開き直っている。

僕の場合はこうしてブログを書いたりしてるわけで、これが社会にとって価値があるなんて大きな事は全然思っていないけど、自分および世の中の数人ぐらいには何かしらの価値を帯びているとは思える。

やってもやらなくても何も変わらない仕事を組織の歯車としてやってるよりは、世の中の数人にでも何かしら提供できるし、考えたり書く行為それ自体が好きだからやってる最中に謎の充足感がある。だからやってる。

 

僕はそんな感じでやってる。

週5日の1日8時間も価値を感じない労働をする状況から抜け出したい人は、それぞれ自分に合った方法を考えて行動していくしかないので、何か参考になる部分があれば参考にどうぞ。

以上です。

 

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