やりたいことがあるから会社を辞めたのではなく、会社で働くのが嫌だから辞めただけ

会社を辞める際、色々な人から「何かやりたいことでもあるの?」という旨の質問を受けた。

その度に、なんでそういう話にズレちゃうんだろうかと疑問に感じていた。

別に誰も、何かをやりたい話なんかしていないというのに。

僕はただ、会社を辞めるという話をしているだけなのに。

 

会社を辞める理由なんて、まず第一に、会社員を続けるのが嫌だからに決まってる。

自ら進んで会社員をやってる人なんかいないだろう。いるとして、0.1%ぐらいだろう。

僕含めて99.9%の会社員は、本当はもっと自由に好きにやっていきたいけれど、生活のために金を稼ぐ必要があるので、処世術として割り切って組織の管理下に置かれて大幅に自由を束縛される会社員という立場を受け入れているのだろう。

根拠は自分の感覚のみだけど、そうでしょうよ。生き生きとしながら自ら望んで会社員やってそうな人なんか見たことないよ。会社員だった頃に数え切れないほどの会社員たちと様々な仕事をしてきたけれど。

「他に現実的な選択肢がないので割り切ってやってます」が99%。僕はこの中に入っていた。

「会社員として実績を作って経営者を目指してます」が1%。

残りの誤差部分で、もしかしたら自ら望んで会社員をしている人もいるのかもしれない程度でしょう。全て感覚ですけど。

 

そういう物である「会社員」を辞めるというときに「何かやりたいことでもあるの?」なんて、ピントがズレている。

会社員という、人の人生から強烈に自由を奪う働き方が、嫌すぎて嫌すぎてもう嫌になって嫌だから辞めるっていう、そういうシンプルなロジックがあるだけなんだ。

 

やりたくない。だから辞める。完。という話。

その超シンプルなロジックにおいて、やりたいこと云々は登場する余地がない。ハッキリ言って場違いだ。

「やりたいことがある。だから会社を辞める」という前向きな話をしているのではないのだ。前向きな段階から7歩ぐらい後ろの段階の話をしているのだ。

そして7歩も下がる間にいつの間にか後ろを向いちゃってる。人間だもの。

つまり、強烈に自由を束縛してくる会社を辞めるなんていう話は、基本的に後ろ向きな話なんだよ。

面倒くさくて滅多に文字を装飾しない僕だけど、思わず太字にしてしまった。

それぐらい、会社を辞めるという話は基本的に後ろ向きなんだって言いたい。

散々、「なんで辞めるの?何か夢でもあるの?やりたいことでもあるの?」みたいなことを言われてきたからだ。

 

本当は99.9%の会社員は分かってるんでしょ?

建前の世界で「辞めたら今度は何をするの?」て聞いてるんでしょ?

社畜とも称されるような奴隷的な束縛から脱出して自由の身になるだけの話なので、「辞めたら何をするの?」なんていう問いからは7歩前であることを、深層心理では分かってるんでしょ?

 

僕は建前の世界に合わせられない。

正確に言うと、合わせることが苦痛すぎるので合わせることを放棄した。

それでも、建前の世界に合わせないと生きていけないのなら処世術として合わせるしかないけれど、現時点の日本社会は幸いにもその建前に合わせなくても実はやっていける社会になっている。

建前に合わせないと生きていけない社会が広まってるように見えて、薄皮1枚だけ裏側に行くと、実は建前が無くても自由に生きていける社会が今現在の日本。

僕はその薄皮1枚分だけ違う場所へと離脱した。

 

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