生活が仕事に支配されて、働く意味が分からなくなり、会社を辞めた話

新卒で就職した会社で働いてるときに、「一体、自分は何のために働いてるのだろうか」とすごく疑問になったことがある。

そのときの経験でも書いていく。

 

僕は新卒でSE(システムエンジニア)の会社に就職した。

月~金の9時から17時30分が勤務時間で、土日と祝日は休み。

フレックス制度はない。月~金まで毎日上記時間で働く必要あり。

全体的に白っぽくて綺麗ではあるけど無機質なオフィス内に就業時間中はずっといた。

ごくたまに外出することもあったけど、95%は終日に渡って無機質なオフィス内。

仕事はなんも面白くなかった。

まあ仕事だし面白くなくても仕方ないけど、とにかく面白くなかった。

システム開発の仕事ではあるのだけど、作ってるシステムに何の関心も湧かなかったし(というか超巨大システムのごく一部を開発しており、そもそも何を開発してるのかもわかってなかった)、システム開発という行為それ自体にも関心がないし適正もなかった。

それでも日々やることは山積みだから、なんも面白くないし興味もないし能力を活かしてる実感もないけど、とにかく月~金の9時から17時30分まで、加えてその後の残業もしていた。

だいたい月30時間ぐらいの残業をしていたから、平均すると毎日19時頃まで仕事をしていたことになる。

 

月~金の5日連続で、全然好きでもない作業を朝9時から夜7時までやり、白っぽい無機質なオフィスに拘束もされるわけで、そりゃあもう疲れる。肉体的にも精神的にもとにかく疲れる。

今の世の中って、月~金の5日連続で朝から晩まで他人に雇用されてたいして好きでもない仕事をやらされる事が当たり前になってるけど、当たり前になってるとか関係なくて、そんなの辛いに決まってる。

少なくとも僕は辛かった。超々辛かった。

朝9時までにオフィスの自席に座ってPCを起動し仕事開始するためには、どんなに遅くても朝8時に起きる必要があった。

8時に起きて30分で慌ただしく準備して、25分掛けて出社していた。

本当は僕は歯磨きに15分掛けたいのに、時間がないから5分で済ませていた。

8時起きなんて世間標準と照らしたら遅いのだろうけど、自分標準と照らすと早すぎる。せめて9時までは寝てたい。

で、残業込みで19時に勤務終了して、言うまでもなく自炊する気力なんてないので帰りにガストやサイゼで夕食を食べてから帰宅すると21時近く。

それからスーツを脱いで、ソファーの上にゴロンとして「はー疲れたー」とかやってから重い腰を上げて風呂に入り、部屋着に着替えてようやくオフモードになった頃には22時。

もう22時だよ? 明日も朝8時なんていう早朝に起きないといけないから、24時にはベッドに入りたい。するともう自由時間は2時間しか残されていない。

その自由時間で何をしていたかは全然記憶にない。多分、ゴロゴロしながらテレビでも見るかネットでもしてたんじゃないだろうか。

読書とか勉強とか筋トレとか、そういうエネルギーを使うことは絶対にやってない。無理だった。

これが月~金の過ごし方。一体いつ掃除や洗濯をしていたのだろうか。覚えてない。もしかしたら22時過ぎからやってたのかも。まあそれはいいや。

 

土日は5連勤の苦行に耐えてようやく訪れた束の間の自由なので有意義に過ごしたいところだけど、無理だった。

昼前から酒を飲んでいる日が多かった。酒を飲みながら家でアニメや映画を観ながらダラダラし続けていた。

それが最もエネルギーを使わず、嫌なことも考えず、ぽわんとしながら楽に過ごせる方法だったからだ。

で、日曜の夕方どころか昼過ぎぐらいから「また明日から会社かよ……」と鬱になってくる。

そして絶望的な気分になりながら夜に寝て、絶望的な気分になりながら朝を迎えて、また朝から晩まで働く5連勤。

これの繰り返しをしている中で「一体俺は何のために働いているのだろうか」という疑問が心の中でムクムクと育ってきた。

そりゃそうだよな。今こうして当時を振り返りながら書いてても「一体こいつは何のために働いてるのだろうか」と疑問になるもんな。

生活のほとんど全てを会社の仕事に支配されてしまっているのだから。

月~金は直接的な支配。土日は疲労による間接的な支配。

なにこれって話だよ。もう本当に、一体何のために働いてるの?という状態。

そもそも目的は幸せに生きていくことであり、仕事はそのための手段に過ぎないはずなのに。

自分なりに幸せに生きる上で必要になるお金を得るためであったり、社会との繋がりを作ったり、承認欲求を満たしたり、世間体を満たしたりなど、色々あるだろうけど、とにかく手段ではある。

にもかかわらず、その仕事に生活のほぼ全てを支配され、鬱々としてしまうというこの本末転倒状態。なんだこれは。バカだろこれ。

「手段であるはずの仕事に生活を支配されて日々が楽しくないどころか辛くて鬱々となってるのはおかしい」

「こんな辛い生活を続けるぐらいなら死んだほうがマシだろ」

騙し騙し仕事を続けながらも、こういう考えがもう騙せないほど強くなってきて、仕事を始めて4年目に会社を辞めた。

 

辞めてからどうするのか、具体的な計画なんて何もなかった。

とりあえずもう、とにかく辞めたかった。

死んだほうがマシだと思うぐらいなら、もう何も考えず辞めちまえって感じで辞めた。

で、そこからなんやかんやと色々試行錯誤しながら行動して、失敗したりしながらあーだこーだやってるうちに今に至った。

だから昔の僕と同じように「何のために働いてるのだろう」という疑問に陥ってる人は、なんやかんや試行錯誤しながら色々やるのがいいと思う。

がんばってください。おわりです。

 

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